もう10年以上前、自分が社労士試験の勉強をはじめたころの話です。

 

社労士講座の講義中、先生が何か言うたびに
「うちの会社は違った」
って、おっしゃる方がいました。

 

例えば、

 

「振替休日はあらかじめ休日とする日を指定しておかなければならない」
って、先生が言うと、
「うちの会社は違った。働いた後に好きな日に休んでよかった」
って、答える。
「それは振替休日じゃなくて代休でしょ」
って返答すると、
「いや、うちの会社は振替休日だった」
って返す。

 

正直、この方の会社が、
悪意からか、誤解からか、
法違反をしていたわけで、

 

ほんとうは

 

「うちの会社が 違った」
が正しいんですけどね。

 

こういうことって鮮烈 で、すぐに頭に刻み込まれます。
つまり、自分の体験等の具体例 で記憶すると覚えやすいよってことです。

 

例えば、「賃金の支払の5原則」
言えますね……、言える、大丈夫、で、すね?

 

①通貨払いの原則
②直接払いの原則
③全額払いの原則
④毎月1回以上払いの原則
⑤一定期日払いの原則

 

知っての通り、社労士試験で大切なのは、この例外 。

 

例えば、

 

①通貨払いの原則の例外は
「法令に別段の定めがある場合」と「労働協約に別段の定めがある場合」

 

③全額払いの原則の例外は
「法令に別段の定めがある場合」と「労使協定に別段の定めがある場合」

 

問題を作る人って、こういうところを狙って きます。

 

どういうところかというと、 お気づき ですね。

 

①の例外は「労働協約」
③の例外は「労使協定」

 

どっちだったっけ って悩ませたいわけです。

 

だけど、これも現実に当てはめる、つまり具体的に覚えてしまうと簡単です。

 

「労働組合がない会社に通勤定期券 の手渡しはない」

 

のようにです。

 

会社によっては、通勤手当 の代わりに

 

通勤定期券 を渡すところがあるけれど、やり方を間違えば違法 ということですね。

 

通勤定期券=現物支給 ですね。
労働組合=労働協約  です。

 

これで二度と悩む必要はありません。

 

というわけで、できるだけ具体的に覚えてしまいましょう。

 

嘉瀬陽介