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平成28年9月27日、安倍総理は、総理大臣官邸で第1回「働き方改革実現会議」を開催しました。この中で、安倍総理は次のテーマを取り上げていくと述べています。

 

①同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善。
②賃金引き上げと労働生産性の向上。
③時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正。
④雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題。
⑤テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方。
⑥働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備。
⑦高齢者の就業促進。
⑧病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立。
⑨外国人材の受入れの問題。

 

これって、じーっと見るまでもなく、すべて社労士に関係する話ですよね。来年の社労士試験の傾向が見えてくるかもしれませんから、目を通しておいた方がいいですね。

 

さて、具体的な内容について少し見てみましょう。

 

特に気になるのは、最近のトレンド、①の「同一労働同一賃金」に関する問題です。

 

昨年の5月、東京高裁は、「60歳定年後に雇用された嘱託社員について、正社員との賃金に相違があることについて、職務の内容等について何ら違いがないにも関わらず、賃金の額が異なるのは労働契約法第20条に違反する」と判断しました。簡単に言うと、「60歳を過ぎて嘱託社員として採用しても、同一労働同一賃金にしなさい」っていう判決です。ちなみに、労働契約法第20条というのは「期間の定めがあるという理由で不利益な取扱いをしてはならない」という規定ですね。

 

この東京高裁の判断については、多くの会社が驚いたのではないでしょうか。
なぜなら、日本にあるほとんどの会社が、社員が定年した後は、賃金を下げて雇用しているわけですから。

 

正直、これって「60歳を過ぎたら年金が貰えるでしょ。だから、年金と賃金を合わせた収入が、以前の収入と変わらない程度に賃金を減額します」ってやり方だったはずなんですけど、年金の支給が65歳になっても、多くの会社が60歳定年で賃金を下げていたことに問題の発端があった気がします。

 

いずれにせよ、60歳後の同一労働同一賃金が認められれば、人件費には限りがありますから、「新入社員(若者)の採用」は少なくなるでしょうし、「通常の社員の賃金の減額」なんてこともしなければならなくなるかもしれません。同一労働同一賃金には、そんな危険性も含まれているということです。

 

 

 

 

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