少し前に「年次有給休暇の確実な取得」に関する法改正について記しましたが、今回は、フレックスタイム制の改正について書こうと思います。
平成31年4月1日から、働き方改革の一環として、フレックスタイム制の規定が改正されます。具体的には、清算期間が「3箇月以内の期間」となるのですが、この法改正の詳細について見ていきましょう。
フレックスタイム制を採用するときは、次の事項を労使協定に定めなければならない。
①対象労働者の範囲
②清算期間(3箇月以内の期間に限る)
③清算期間の起算日
④清算期間における総労働時間
⑤標準となる1日の労働時間
⑥フレキシブルタイムに制限を設ける場合は、その時間帯の開始及び終了の時刻
⑦コアタイムを設ける場合は、その時間帯の開始および終了の時刻
清算期間が1箇月を超える場合は、清算期間の開始の日以後1箇月ごとに区分した期間(最後に1箇月未満の期間を生じたときは、当該期間)ごとに当該各期間を平均し1週間当たりの労働時間が50時間を超えない範囲で週法定労働時間を超えて労働させることができる。
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原則:1月で、1週の平均労働時間が50時間を超えない範囲で労働させることが可能
1.清算期間が1箇月を超える場合において、清算期間の開始の日以後1箇月ごとに区分した各期間を各期間ごとに平均し1週間当たりの労働時間が50時間を超えたときは、当該超えた時間が時間外労働となる。
2.清算期間が1箇月を超え、かつ、清算期間の途中に入退職等があった場合において、その労働させた期間を平均して1週間当たり40時間を超えるときは、使用者は、当該超える時間について、割増賃金の規定の例により計算した割増賃金を支払わなければならない。
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例えば、ある31日まである月の1月の総労働時間が230時間であった場合、その月は、
31÷7=4.43週になります。
230時間÷4.43週=51.9時間となり、この月の週当たりの平均時間は、50時間を超えてしまいます。
このような場合は3箇月ではなく1箇月で清算しなければならないというものです。
この他、清算期間が1箇月を超えるフレックスタイム制に係る労使協定は、労働基準監督署長に届け出なければならなくなります。
今年の社労士試験では必出ですから、しっかり学習しておきましょう。